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Waterproof
防水性

チタンのモノブロックケース

一般的に時計のミドルケースには、風防、リューズ、バックケースなどの部品を結合するために3つの穴を設けます。防水性能を高めるための最も重要なポイントは、これら3つの各部分とムーブメントを収納するミドルケースをOリングと呼ばれるゴムパッキンなどで確実にシーリングすることです。さらに気密性を高めるために確実な方法は、シーリングが必要な箇所自体を減らすことです。リューズや風防を留めるベゼルをミドルケースに一体化させることは難しいですが、ムーブメントの脱着を容易にするためのバックケースはミドルケースと一体化することが可能です。これがバックケースのない「ワンピースケース」構造です。ただし、工作精度が維持できなければ、却って逆効果にもなりかねませんので、ケース加工の難易度は格段に上がります。ボール ウォッチではこれを難切削材の代表選手であるチタンをモノブロック(塊)の状態から削り出すことで、バックケース一体型の「ワンピースケース」を作り出しているのです。この特殊ケースからムーブメントを脱着する時は時計の裏側から取り出すことは出来ませんので、表側から回転ベゼル・風防、針、文字盤などを外して取り出すことになります。

サファイアガラス

サファイアガラスは、高純度のアルミナ(Al2 O3)を人工的にサファイア棒状に固め、スライスして研磨したものです。硬度がとても高く擦過傷がつきにくい素材で腕時計の中でも高級機によく使用されている風防です。また丈夫で変形しにくいのでミネラルガラスやアクリルなどに比べて気密性を確保しやすく防水時計などにも向いています。ボール ウォッチでは深海で作業するプロのサチュレーションダイバー(飽和潜水士)でも着用できる特別設計のダイバーズ ウォッチを開発しており、それらの時計には高圧防水性能を確保するために厚さ4mmもの肉厚なサファイアガラスを採用しています。水深200mにおける水圧は、地表の気圧の20倍に相当する20気圧にも及ぶのです。

自動減圧バルブ

深海で安全に長時間活動するために、プロのサチュレーションダイバーの方々は飽和潜水の技術を採用しています。これは潜水した人が急速に大気圧の場所に出たときに起こる減圧症を防ぐため、あらかじめ体内にヘリウムなどの不活性ガスを飽和状態になるまで吸収させることで体調を整える手法です。しかし、ヘリウムは時計をシーリングしているOリング(パッキン)素材の分子構造を通過してしまうため、この過程においてダイバーが着用している時計のケース内部へもヘリウムが侵入してしまいます。そして、このままの状態で何もせずに浮上してしまうとケース内部に充填したヘリウムが膨張し風防を破損する可能性があるため、ケース内部が高圧になった時に自動的にヘリウムを外部へ排出する機能が「自動減圧バルブ」です。「減圧バルブ」は手動、自動の2種類のタイプがあり、一般的にケースサイドの9-10時の位置に配されています。飽和潜水をする方々にとっては必要不可欠な時計の機能の一つです。

ねじ込み式リューズ

ねじ込み式(回転式)リューズとは、主にダイバーズウォッチなどに採用されているリューズで湿気や水、埃などの侵入を防ぐためにねじ式構造になっています。リューズを右(時計回り)に回してチューブの根元までしっかりと締め、隙間をなくすことで高い気密性を保持します。また、ゼンマイの巻き上げ、時刻やカレンダーの早送り設定をする場合は、リューズを左(反時計回り)に回して緩めることでリューズがせり出し、時刻などの設定などが出来るようになります。