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Accuracy
高精度

スイスCOSC認定クロノメーター

かつてアメリカの時計産業において“高精度の証”として知られた「鉄道標準時計」の作り手として名を馳せたボール ウォッチ。時計産業のマーケットリーダーがスイスへと移り変わった現代では、「クロノメーター」が高精度を体現する象徴的な存在となっています。ムーブメントの精度を認定する団体はいくつか存在しますが、スイスクロノメーター検定協会(Contrôle Officiel Suisse des Chronomètres 、C.O.S.C.)は最も著名な検定機関として知られています。検定は恒温状態を保ちながら15日間、3温度、5姿勢で行われ、日差が-4秒から+6秒以内に収まっていることが条件とされます。この際、検定を受けるムーブメントにはダミーのホワイトダイアルと針がセットされ、針位置を写真撮影してその角度差を計算することで、実際の誤差が評価基準となります。これに合格したムーブメントが「COSC認定クロノメーター」として扱われ、搭載モデルにはダイアルなどに表記が入れられます。

スプリングロック

ヒゲゼンマイは同心円状に巻かれた繊細な小さなバネで、テンプと一体になって時計の規則性を司る調速機の一部の部品です。この装置の機能いかんで精度に差が生じますが、髪の毛1本よりも細いとされるヒゲゼンマイの脆弱さは現在も時計メーカーにとっては悩みの種の一つです。「スプリングロック耐震システム」は、このヒゲゼンマイの周囲をケージ(赤色の部品)で覆うように設計した構造で、ボール ウォッチが特許を取得した独自の耐震システムです。このシステムは、時計に衝撃が加わった際にヒゲゼンマイが必要以上に動いてしまわないように慣性を抑制し、規則正しく伸縮運動できる元の位置に早くヒゲゼンマイを戻すように復元力を高めています。また同時に、ヒゲゼンマイの破損や変形、ヒゲ絡みも防ぐことができます。ISO1438耐衝撃時計の定義である機械式時計が衝撃を受けた際の残留歩度の基準は±60秒/日ですが、この構造により±20秒/日に抑えることに成功し、計算上ではヒゲゼンマイにかかるストレスの約66%をキャンセルすることができます。「COSC認定クロノメーター」が出荷状態における高精度を保証するものとするなら、「スプリングロック耐震システム」は衝撃時に起こりうるヒゲゼンマイのトラブルを防ぎ、精度を安定させるためのシステムと言えます。