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Shock Resistance
耐衝撃性

セーフティロック・クラウンシステム

時刻などを設定する時に使用するリューズは、時計の外部と巻き芯を介してムーブメントをつなぐ重要な部品の一つです。不意にぶつけてしまう危険度が高いリューズ部分は、耐衝撃性を高めるうえで最大のウィークポイントです。多くのスポーツウォッチに見られるリューズガードは、最も弱いリューズの付け根部分を保護するために設けられていますが、ボール ウォッチ独自の「セーフティロック・クラウンシステム」は、リューズ全体を保護します。リューズガードとねじ込み式リューズの高さを揃え、リューズガードを跨ぐように取り付けたプロテクション・プレートは、リューズを完全にねじ込まない限り閉じることができません。これは、ヒューマンエラー(リューズの締め忘れ)による時計内部への汗、水、埃などの侵入を防ぐだけでなく、外部からの衝撃が直接リューズに加わらないように設計されているのです。さらに、エンジニア ハイドロカーボンの耐衝撃テストではリューズがあるケースサイドの3時位置にも衝撃を与え、業界では稀な3方向からの衝撃テストを実施し、7,500Gsの耐衝撃性を実現しています。頑強さと安全装置を備えた「セーフティロック・クラウンシステム」は、エンジニア ハイドロカーボンのアイデンティティといえる代表的なディティールなのです。

アモータイザー衝撃吸収リング

ボール ウォッチでは、耐磁性や防塵性を高めるためにケースとムーブメントの間に2重構造となるインナーケースが設けられています。さらにそのインナーケースの内側に、振動の低減や衝撃を緩和する事に特化した白色のエラストマー素材の「アモータイザー衝撃吸収リング」を埋め込んでいます。これらの構造によりムーブメントを外部からの衝撃から保護し、精度の安定性を図っています。

スプリングシール

機械式時計の調速機構の1つである緩急針はテンプ受け部に設置され、時計の技術者が修理やメンテナンスの時に、+または-に針を動かすことでヒゲゼンマイの長さを調整し、テンプの速度の微調整を行ないます。通常は、時計着用時にこの緩急針が動くことはありませんが、時計の落下時や強い衝撃を与えた時にこの緩急針が動いてしまい精度に影響を大きく及ぼすことがあります。そこでボール ウォッチでは、この緩急針を特殊なプレートで固定し、2本のネジを外さない限り緩急針を動かすことのできない「スプリングシール」を開発しました。メンテナンス時には技術者の作業工程が1つ増えてしまいますが、この設計により衝撃によって緩急針が動いてしまうという課題を解決しています。

エラストマー耐衝撃リング

更なる衝撃性能を高めるためにボール ウォッチでは、金属製のインナーケースではなく、振動の低減や衝撃を吸収する赤やグレーのエラストマー素材でムーブメントを包み込み、インナーケースとしての役割を果たす「エラストマー耐衝撃リング」も開発しています。ゴムのような弾力性をもつこのエラストマーは、クォーツムーブメントの5倍以上の重さの機械式ムーブメントを保護するために硬すぎず柔らかすぎないような適度な弾力性が求められ、また時計表面(文字盤面)からも見える構造になっていることから紫外線などによる耐候性も考慮しなければならず、この素材の開発期間だけで1年を要しました。さらに「エラストマー耐衝撃リング」は衝撃を受けた際に、弾力によって衝撃を逃がすように時計内部で若干可動できるように設計されており、それに伴いリューズもその動きに連動する構造になっています。

ブレスレットの2点留め

エンジニアハイドロカーボンの多くのモデルに採用されているブレスレットの2点留め。片側2本ずつ、計4本のスクリューピンでケースとブレスレットを強固に固定しており、エンドピースのぐらつきを抑えるだけでなく、不意なブレスレットの脱落を未然に防ぐように設計されています。これを実現するためにはエンドピース自体がソリッドな部品でなければなりません。装着感、安定感を左右するブレスレットのクォリティ向上へのあくなき追求と、過酷な環境下での着用を前提としたエンジニア ハイドロカーボンの頑強さを示すプロダクト・ディティールのひとつです。

屈強なバックル

独自に設計された両開き式のフォールディング・バックルは、一度ロックすると1,400ニュートン(約140kg重)もの荷重に耐え、さらに5,000回にも及ぶ開閉検査に合格し重厚で圧倒的な強度を誇ります。 100分の1mm単位で製造された精密且つ重厚な作りと心地よい操作感、開閉音が所有する悦びを一層高めてくれます。バックルを固定する2本の細いピンはろう付けなどの溶着ではなく、ステンレススティールの塊からそれらのピン形状部分を残すように削り出すことで加工されています。この加工によって、ピンの強度は全体的に均一となるため傷や衝撃などに伴い発生しうるピン折れや破損を起こすリスクがほとんどありません。

7,500Gs (5,000Gs)

すべてのボール ウォッチは、国際標準化機構のISO1413に基づく耐衝撃時計の試験に合格し、一般的な時計と比べ衝撃に強い特長を持つ耐衝撃時計です。耐衝撃時計とは水平な硬い木の面に 1mの高さからの自由落下に耐える性能をもつ時計でなければならないと定義されており、その試験は通常、1m落下相当の衝撃を時計ケースサイドの9時位置、並びにガラス面の2方向に加え、時計表示の変化や精度の確認を行います。また、バンド付きの状態で時計を 1mの高さから自由落下させて、バンドの破損や取り付け部の確認も行います。しかし、シビアな環境でこそ機能する機械式時計を追求するボール ウォッチは、エンジニアハイドロカーボンなどの一部モデルにISOの基準値を上回る1.5m落下相当の衝撃を加え、さらに2方向のみならず第3の方向として時計の構造上、最も衝撃に弱いといわれるリューズがあるケースサイド3時位置にも衝撃を与える試験を実施しています。強い衝撃に耐えるために厚さ5.3㎜のサファイアガラスを採用しているモデルさえ存在します。7,500Gs (5,000Gs)とはボール ウォッチが独自に定めた衝撃性能の単位で、時計が高さ1.5m(1.0m)から自由落下により木の床に落ちた時計の衝撃度を示しています。