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2021.08.27 1960年代のヴィンテージ「BALL Watch」を徹底解説!オーバーホールで分かった実用時計としての飽くなき探求心!

今回、紹介するヴィンテージ「BALL Watch」を通じてお伝えしたい事は、単にボールウォッチの歴史を紹介するだけではなく1960年代に作られた時計も現在のボール ウォッチスピリットと何一つ変わらない精神で時計作りをしていたという事です。21石を使い完成させたcal.AS1604は見た目を彩る美しい仕上げは勿論、当時としては高級機にしか使う事が出来なかった高精度を実現する為のスワンネック緩急針や鉄道時計として秒単位での誤差を防ぐ為のハック機能(秒規制レバー)の搭載や、何より驚くべきポイントは裏蓋側に耐磁ケース(画像シルバー色)を、更に文字盤自体を耐磁板にするという現在の先駆けともいえる磁気帯びに対しての耐性を持たせ、蒸気機関車のみならず電気機関車にも対応しうる特性に仕上げていた事です。これらから「時間」に対して一切の妥協をせずに、当時も時計作りをしていた事が窺えます。

細部まで入念に仕上げが施されているアンクル。歯車などの部品ひとつひとつに美しい仕上げが施されている。その結果、錆などの腐食を防ぐ事にも繋がりムーブメント全体の劣化を防ぐ。

片重り取りを緻密にされているテンワ。バランスの取れたアミダの形状は勿論の事、物理的にテンワを削り極限までテンワ全体のバランスを確保する事で、姿勢差などの影響が受けにくくなり安定した精度維持を実現させている。

機械はAS1604が採用されている。ASはA.Schild社(アシールド)というムーブメント製造の専門会社であり、当時に数多く存在したエボーシュ会社の一つである。アラーム時計等も発表していて技術力の高さには定評がある。

ハック機能(秒規制レバー)と緩急針の微調整を可能としたスワンネック緩急針を搭載。「時間」に対して厳格な基準を持っていたボール ウォッチは一切の妥協をする事無く時計作りをしていた事が窺える。当時、高級機であった事が想像できる。

この貴重なヴィンテージウォッチはS様にお借りいたしました。S様は30年に渡り電子計測器を扱う企業にて設計の職に携わったエレクトロニクスのスペシャリストになります。現在はテクニカルコンサルタントとして個人事業を進めながら時計ファンとして時計専門学校に通って勉強を継続、お気に入りの現行時計収集にとどまらず、バージ脱進機、イングリッシュレバー脱進機、ディテント脱進機などを搭載した特徴ある時計やさまざまなストップウォッチ収集など一味違ったマニアックな時計ファン。多角的なアプローチにより既に時計に対しての知識は業界人も目を見張るほど才覚を発揮しております。今回、貴重なお時計に携わる事が出来て光栄に感じると共にS様には深く感謝の意をお伝えさせていただきたいと思います。

※今回ご紹介した時計は個人の所有物であり、現在は同商品の販売をしておりません。

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